4月に会社に入った新入社員のみなさん。悩みの種はたくさんあると思いますが、この季節は特に「年賀状」に悩んでいないでしょうか?
10代など若い人は、プライベートでは年賀状を出さない人が増えているそうですから、出し慣れていない年賀状を、しかも上司に送るとなると、どうすればいいかわからない人も多いかもしれません。
そこで今回は、新入社員が上司に送る年賀状のポイントや注意点、文例を紹介していきます。
まずご紹介するのは、新入社員から上司に送る年賀状を作成する上での、基本的なポイントについて。
年賀状には「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」などのことば(賀詞(がし)といいます)を書きますね。この賀詞ですが、目上の方に使ってよいものと、そうではないものがあるのです。
では、次の1〜4の賀詞のうち、上司への年賀状に適切なものはどれかわかりますか?ちょっと考えてみてください。
(1)謹賀新年
(2)賀正
(3)初春のお慶びを申し上げます
(4)あけましておめでとうございます
正解は(1)と(4)です。
まず(4)の「あけましておめでとうございます」は、友人でも上司でも使えるオールマイティーな賀詞です。
次に(1)の「謹賀新年」については、よく似た「謹賀新春」「恭賀新年」なども、上司向けの年賀状に使えます。これらの共通項は何でしょうか?
それは、「謹んで」(つつしんで)、「恭しく」(うやうやしく)などの敬語が入っているところです。
一方、(2)の「賀正」、(3)の「新春のお慶びを申し上げます」にはそういった言葉が入っていません。したがって、上司や社長など目上の方には失礼な言い方になってしまうのです。
例えば、(3)の賀詞に丁寧な言葉を足して「謹んで初春のお慶びを申し上げます」とすればOKです。
わかりやすく「四文字の漢字の賀詞はOK」「ニ文字もしくは一文字の漢字はNG」、文章系は「謹んで」を入れる、と覚えておいてもいいですね。
その他、年賀状のルールを確認しておきましょう。
まず、文章や文字を書き間違えてしまったとき。修正テープや修正ペンを使ってしまいがちですが、年賀状には修正ペンを使ってはいけません!
間違った年賀状はボツにしてしまい、新しい年賀状に書くようにしてください。(書き間違えた年賀状の活用方法はこちら)
また、上司への年賀状であれば特に、元旦(1月1日の朝)に届くのが常識です。そのためには、12月25日までのハガキ投函が必要ですので、なるべく早いタイミングから準備しましょう。
年賀状にメッセージ(添え書き)を書く際は、句読点(「、」や「。」)をつけないこと。これは、年初の挨拶で人間関係に「区切り」をつけないための礼儀と言われています。
また、忌み言葉と言われるNGワードもあります。たとえば、年賀状では「去年」という言葉は使わず「昨年」「旧年中」などと書き換えます。なぜかというと、「去る」というのは、新年には縁起のよくない言葉だからです。
書面での礼儀についてよく知っている上司なら、句読点や忌み言葉に敏感なこともありますので注意!
逆に、その辺りを気を付けて書けば好印象です♪
年賀状の決まりごとについては、「年賀状を送る際の書き方・マナー」でも解説していますので、合わせてご参照ください。
さて、年賀状を書くときに最も迷うのが、一言・添え書きの文面だと思います。
「年賀状プリント決定版」では、年賀状を上司に送る場合の文例を紹介しています。また、ここでもそれ以外にいくつか新入社員が上司や社長に送る「年賀状の文例」を挙げますので、参考にしていただければと思います。
ポイント:文例を利用する際に注意してほしいこと
たとえば、会社で直接お世話になっていない上司や社長に対して年賀状を送る方もいらっしゃるでしょう。その時気をつけたいのは、「今年もご指導よろしくお願いします」のような典型的な文章を使うときには、本当にそれでいいのかよく考えたほうがよい、ということです。
考えてもみてください。これまで直接関わったことがない相手から「今年もご指導お願いします」と書かれた年賀状が届いたら、適当に全員に同じメッセージを書いているのだな、と思われてしまい、あまり良い印象ではないですよね。
ちなみに「昨年はお世話になりました」の一文は、誰に使っても差し支えはありません。直接的にではなくても、お世話になっていることは多いですから。
ここで紹介する例文は定型的な文章です。
正直に言って「面白み」はありません。もっと工夫したいと思う人もいるでしょう。
ただ、無理に冒険して失敗するよりは、ある程度定型的な文章の方がおすすめです。
もし、ありきたりでない文面にしたいのであれば、2年目に対する自分なりの抱負を盛り込んでみるのがいいかもしれません。これならオリジナリティーが出せます。
定型文を使う場合でも留意したいのは「自分に合ったもの」を選ぶこと。ぴったりの文章があればそのまま使ってもかまいませんし、紹介する文をいくつか組み合わせたり、ちょっとアレンジすればあなたらしい文章になります。一般的な挨拶文に一言添えるだけでも違ってきます。
自分と上司との関係にぴったりくるように文例をカスタマイズしてみてください。
・いつも温かくご指導いただきありがとうございます
○○さんのアドバイスにはいつも助けられています
入社2年目を迎える今年はこれまで以上に成長したいと思います
・昨年は右も左もわからない私を親切にご指導いただき誠にありがとうございました
○○さんのおかげで少しは仕事の要領を得てきたように思います
まだまだ至らぬ点も多いと思いますが 今年も引き続きよろしくご指導のほどお願い致します
・○○さんのおかげで社会人として新年を迎えることができました
入社2年目の今年は飛躍の年にするよう一層努力するつもりです
本年もよろしくご指導のほどお願い申し上げます
・今年は「○○」を目標に精進してまいります
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します
・今年は「○○」を達成します!
本年もよろしくお願い致します
・今年は目標を明確に定め積極的に努力していこうと思います
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
・今年は入社2年目になります
これまでご指導いただいたことを生かせるよう努めてまいります
今年もよろしくお願い申し上げます
・○○さんの名に恥じぬよう 昨年以上に努力したいと思っております
本年もよろしくお願い申し上げます
・今年は飛躍の年にすべく精進してまいります
どうぞよろしくお願いいたします
・入社した当初はいろいろとご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした
まだまだ未熟ではありますが 今年は少しでも会社の戦力になれるよう努力いたします
今年もよろしくお願い申し上げます
・まだまだ未熟で至らぬ点も多いですが
○○さんのようになれるよう一生懸命努力いたします
今年もご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます
・昨年は十分な成果があげられず申し訳ございませんでした
2年目は戦力になれるよう日々精進してまいりますので
本年もどうかご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
なお、上司にご家族がいらっしゃる場合は、この後に「ご家族のご健康とご多幸をお祈りいたします」の一言を添えてもいいですね。
はがきに住所や宛名を書くことを「表書き」といいますが、上司への年賀状を書く上で表書きについて悩んでいる新入社員が多いようです。
要は手書きか、印刷か?ということですが、確かに相手の宛名を手書きで書くほうが丁寧な印象を与えます。達筆の人であれば手書きは効果的でしょう。
また、普段から字が下手なことを上司に指摘されているなら、ここは一念発起して、丁寧な表書きを書くことで、上司に頑張りを見せることができます。
ただ、今のご時世そこまでこだわる必要はないといます。自分の字がどうしても下手だという人は、無理して手書きをしたら、字が汚いことが相手に伝わってしてしまい、かえって残念に思われてしまうかもしれません。
そういう場合は、最初から割り切って住所や宛名もプリントするというのもありです。その場合は、表書きは縦書き、フォントは毛筆で印刷しましょう。
最近は個人情報保護の観点から、会社内でお互いに住所を公開しないというところも多いのですが、会社はもちろん従業員の住所を把握しています。
ですから、自分は出していないけれど上司から年賀状が届く、ということがありえます。
その時はどうすればいいのでしょうか?方法は一つしかありません。すぐに返信しましょう。
相手の住所を知らなかったということであれば、相手はあなたから年賀状が届かなくても失礼だと思うことはないでしょうから、通常どおりの年賀状の文面でもよいと思います。ただし三が日に届くよう、すぐ投函しましょう。
一方、住所を知っているのに上司の方から先に年賀状が届いてしまった場合、当然ですが書くべき内容は変わります。
遅れてしまったのですから、まずは謝罪です。「新年のご挨拶が遅れましたこと 大変申し訳ございません」と書き添えましょう。
それに続ける文章は、慣例的なものではなく、相手のために書いたオリジナリティーのある言葉を追加するよう意識してください。「年賀状が届いたから仕方なく出した」と思われないためです。
直属の上司ではなく、普段はあまり話す機会のない「さらに上の上司」、たとえば社長に年賀状を送る場合は、差出人の部分に自分の部署名を必ず入れるようにしましょう。
社長や、役職が上の方の上司は、何枚もの年賀状が届くため、部署名が書いてなければ誰からのものかさっぱりわかりません。
あなたが送ったと認識してもらうためにも、必ず部署名は書くようにしてください。
以上、新入社員が上司に年賀状を送る際の文例や、書き方の注意すべきポイントについて紹介してきました。
年賀状のマナーをきちんと守り、今回紹介した文例を参考に自分らしい文章を書き添えれば、きっと上司に好印象を持たれる年賀状を作成することができるでしょう。
年賀状の書き方に迷ったら、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。
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