11月頃になると差し出される年賀欠礼の挨拶状、喪中はがき。その絵柄は、「喪に服している」ことを示すため、薄墨など淡い色を用いて仏花を描いたものやグレーの枠のものがほとんどでした。ところが今は、洋花や鳥、蝶、空を描いたモダンなデザインや、故人の趣味などその人を象徴するようなデザイン、そして哀しみより温かみを感じさせる明るめの色合いのものなど、表現のバリエーションが増えてきました。
喪中はがきの役割も、「喪中のため年賀状を出さないことを相手に伝える」だけではなく、「近親者が亡くなったことを知らせる」ことも兼ねるようになってきました。昨今の葬儀の簡素化の流れにより、事後に亡くなったことをお知らせするケースが増えていることと無縁ではないかもしれません。
『年賀状プリント決定版』では様々なデザインの喪中はがきテンプレート100点以上を提供していますが、その一部を、絵柄の意味と合わせてご紹介します。デザインを選ぶ際の参考にしてください。
花〜供花、あるいは花にその人柄・人生を投影する〜
相手を選ばない定番の喪中はがき
花のモチーフは定番です。洋の東西、宗教を問わず、亡くなった方に花を供える習慣はありますよね。中でも、菊や蓮、白百合、桔梗や胡蝶蘭などはよく用いられるため、相手を問わず送れます。蓮や菊などは仏花のイメージが強いですが、白百合やカーネーションはキリスト教でも供花として選ばれています。
故人の好きな花、花言葉から選ぶおしゃれな喪中はがき
「私を忘れないで」という花言葉を持つ、ワスレナグサ(勿忘草)。白百合の花言葉は「清浄」「純潔」。また、白いカーネーションは、亡くなった母を偲ぶ花とされています。
故人の人柄・姿に合った花や、故人が好きだった花のデザインを選ぶのもよいでしょうし、花言葉から選ぶという選択肢もあります。
その人をイメージして選ぶなら、喪の色にこだわらず、淡くきれいな色を使ったモダンなデザインでもよいですね。ただし、あくまでも弔事ですので、派手な色は避けましょう。
天・空・月〜天に昇った故人を思う〜
人は亡くなると「星になる」、とか「空に帰る」と表現されます。また、キリスト教では「天国に昇る」といいますし、仏教でも、来迎図に描かれる阿弥陀如来は雲に乗って現れます。そして「月を眺めて遠くの人を思う」場面は漢詩や和歌にもしばしば登場します。
故人を思う時、人は空を見上げますね。亡くなった方を懐かしみ、冥福を祈る…そんな思いを描いたデザインです。
鳥・蝶〜神秘的で美しい、スピリチュアルなモチーフ〜
故人の趣味〜親しい仲間とともに亡き人を偲ぶ〜
趣味の仲間など、故人をよく知る方への喪中はがきは、その人が大好きだったこと、その人を象徴するような絵柄を選んでみてはいかがでしょうか。
はがきを受け取った方は、ひととき、故人のことを思い出してくれるに違いありません。
当サイトが提供する故人の趣味をモチーフにした喪中はがきテンプレートには、音楽、アート、登山、ゴルフ、カメラや映画、そしてコーヒーやお酒まで、趣味や嗜好に関する様々なデザインがあります。
故人の思い出写真〜お葬式でのお見送りにかえて〜
故人と親しかった方で、葬儀に参列していただくことができなかった相手には、故人の写真を添えて贈ってみてはいかがでしょうか。その方が作った作品や習い事・趣味の発表会の写真、また、旅やキャンプ、登山やスポーツの写真など、その人の人生を表すものとして。
ただ、故人を知らない方の場合は違和感を感じるでしょうし、故人を知っていても、非常識だと思う方もいらっしゃるかもしれませんので、送る相手には配慮する必要があります。
この他にも、たくさんの喪中はがきデザインテンプレートがあります。亡くなった方にふさわしい1枚を見つけてください。また、挨拶文の文面については、様々なシチュエーションに対応した「喪中はがき文例集」を参考になさってください。