年賀状の宛名の正しい書き方とマナーについて

2023/12/08 更新

年賀状の宛名書きについて、どのくらいご存知でしょうか。社会人になると年賀状を出す相手も、会社の上司や取引先など、その範囲が広がるものです。家族宛に連名で送る場合、上司や目上の方に送る場合、取引先へ送る場合の肩書の書き方など、注意しなければならないことがあります。恥をかかないための年賀状の宛名書きルールについてまとめてみました。

年賀状　宛名の書き方の注意点

最近は、新年のご挨拶を年賀状ではなくSNSやメールですます方が増えています。それ自体問題はないのですが、相手によっては失礼になる場合があります。
目上の方、上司やビジネス上の関係者に対しては、メールでは軽い扱いになりますので、書面、つまり、年賀状をお送りするのが礼にかなっています。
もちろん、「虚礼廃止」として年賀状を送らない会社も増えつつあり、そのような場合はあえてメールで年末年始の挨拶を送ることもありますから、必ずしも「失礼」だというわけではありませんが。
そして、年賀状をお送りする場合、書き方やマナーにも気を使いたいものです。

年賀状を作る際、裏面のデザインや文面をどうしようかと気にされる方は多いと思いますが、大切なのに意外に見過ごされているのが宛名の書き方です。

まず住所ですが、上司や取引先、目上の方には都道府県名から省略せずに正確に書きます。年賀状は縦書きが基本ですから、番地なども漢数字を用いることをおススメします。また、マンション名やビル名は、住所よりも少し小さめの方が、収まりがよくなります。

そして、できれば住所は2行以内に収めましょう。見た目にも美しく、読みやすいバランスのとれた表記になります。

次に相手の名前ですが、中央に住所よりも少し大きめの文字で書きましょう。ここで注意したいのが、敬称の付け方です。

宛名の書き方

敬称の付け方にもルールあり

誰にでも通用する、万能な敬称が「様」で、夫婦や家族連名の場合は、中央に御主人の姓名に「様」、左に奥様の名前だけを書き「様」をつけます。
会社名の場合は「御中」、また株式会社、有限会社は（株）や（有）などと省略せずに書きましょう。

◎ご夫婦連名宛の例
　山田一郎様
　　　花子様

◎ご家族全員宛の例
　山田家御一同様

◎会社の部署宛の例
　○○株式会社
　○○部 ○○課御中

◎会社の個人宛の例
　○○株式会社
　○○部
　部長山田太郎様

敬称には「様」のほか、「殿」が使われることもありますが、「殿」は自分より目下の人に対する敬称とされています。ですから、上司や取引先に対しては、「様」を使いましょう。

また、注意したいのが、会社などの個人に宛てる場合です。社名や部署名、肩書に敬称を付けるのではなく、名前に敬称を付けます。ですから、「社長様」「部長様」のように書くのは誤りで、知らなければ恥ずかしい思いをすることになります。なお、会社の部署などに宛てるときは、部署名のみに「御中」を付けるのがマナーです。

年賀状の宛名は縦書きか横書きか。また、書体は？

日本語は縦書きが基本ですから、宛名も縦書きの方が好ましいとされています。とくに決まりがあるわけではありませんが、伝統やしきたりを重んじている年配者や取引先への年賀状は、縦書きで書きましょう。

なお、差出人である自分の郵便番号、住所と氏名は、裏面、表面のどちらに入れてもよいとされています。ポイントは、宛名や相手先の住所の表記よりも小さな字にすることです。表面に書く場合は、郵便番号ボックスの幅におさまるようにするとバランスよく見えます。

注意したいのが、宛名印刷する場合の書体です。上司や目上の方に宛てる場合、望ましいのは「楷書体」「行書体」「行楷書体」「隷書体」などの毛筆書体です。もともと年賀状の宛名は筆文字で書かれていたので毛筆書体がおすすめですが、何より「読みやすい」ことに留意して選ぶとよいでしょう。そういう意味では、「明朝体」「教科書体」などでもよいと思います。

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